Papa was a charan poran

Poetic running and something

下手なつま先着地の宣伝に大迫を使うな

10月18日

朝、シカゴマラソン日本新記録を打ち立てた大迫選手がスッキリ!に生出演したときに、案の定、つま先着地の話題が出ていたのだが、大迫選手自身は、あまり意識しているわけではないという受け答えをしていた。賢明な態度である。


それから、夜、クロ現+にも大迫選手が登場し、またしても番組はフォアフット走法をやたら宣伝していたが、NHKはランニングの話になると必ずつま先着地の話を挿入しないと気が済まないらしい。NHKの記者かプロデューサーに強硬なフォアフット信者でもいるのだろうか。着地面だけ変えてもしょうがないだろうに。無責任なフォアフット主義の流布によって怪我人を大量生産したいのか知らんが、大迫選手をつま先着地の広告塔みたいに使うのはいかがなものかと思う。


番組の意図に反して、ゲストの増田明美氏は、(マスコミや世間が)フォアフォア言い過ぎている嫌いがありますね、と正論を吐いて大迫選手に同意を求め、大迫選手自身も、「フォアフット」という言葉はむしろ後から知ったということを言っていた。つま先着地だのフォアフット走法だのという言葉だけが一人歩きしているが、俺は知らんよ、と番組は逃げを打たれた形だ。ここは思ったことをそのまま口に出す、言わばKYの増田氏に感心&脱帽。

 

テレビの取り上げ方はいつも軽薄で無責任だ。前から言っているように、つま先着地、かかと着地は速さの原因、ではなくて、逆にフォームや走り方や体格やスピードの総合的な結果の一部であると私は思うのだが、テレビのこういう取り上げ方では、着地さえ変えれば大迫選手のように速くなると勘違いした市民ランナーに、故障が増えるのではないかと危惧しないではいられない。事あるごとに「つま先着地だから速い」みたいなうんちくを挿入したがるNHKは、啓蒙してるつもりなのか、単に言いたがりなのか、それとも故障者を増やしたいのか?

 

走りの勘が良い人であれば、つま先着地を意識することで自然にフォームも変化させられるかもしれないが、野生動物と違って、悲しいかな人間には「走る」という基本的な動作においてすら出来不出来の差があり、多くの人が不経済かつ足に負担のかかる危険な走り方をしていることは、誰もが認める事実であろう。じゃなきゃランニング専門の整体なんて成り立たない。走り方すらわからないという人間も、都会には存在するのである。

 

まして、私が通勤中や移動中に前を歩く人たちの足を見る限り、日本人には足首が内側に倒れ込んで、かかとの内側の靴底を異常にすり減らしているオーバープロネーションの人が多いのである。

 

番組「スッキリ!」の背景に流れていた即席のCG動画がまさしくそうであったように、体のかなり前方でつま先着地する、コソドロの差し足のようなイメージでは、まず足の甲や足底、足首の関節に故障が起こるリスクが大きい。

 

大体、大迫選手に対してつま先着地しか語らないのは失礼である。大坂なおみ選手に対して好きな日本食は?とかそんなくだらないことしか質問しないのと一緒で、もうちょっと競技の本質に関わる話をできないものか。

 

メディアにおけるフォアフットの解説は、「つま先着地」の利点を説明するために、いつも「かかと着地」を旧式の間違った走り方であるかのように取り上げる。そして過去のランナーはみなかかと着地であったかのように語る。これは二元論的な藁人形論法である。

 

体の物理的な構造から言って、抜き足差し足で歩く時やバレエのようなつま先歩きは別として、人間は普通にあまり膝を曲げずに歩く時はかかとから着地する。まず体の前方で着地して、後ろ側の足の蹴る力で前に体重移動していくのだが、それは歩幅が小さく着地の衝撃が小さいから可能なのである。

 

走る時はどうだろうか。物理的に言って、体の真下より後ろで着地する時は、かかと着地になり得ないだろう。体の真下で着地する時は、足首の曲げ方具合でつま先着地にもかかと着地にも、その中間の足の裏全体での着地にもなりうる。

 

ストライドを小さくしてピッチ走法で走る時は、蹴る力が当然小さいので、必然的に体の前に出した足が体の真下に来る前に着地してしまうため、膝をあまり曲げないで歩く時と同様、かかと着地になりやすい。ここでつま先着地にするには、膝を曲げて前に出すことで、膝から下の部分が地面に対して垂直に近くなり、つま先で着地しやすくなる。しかしそれは同時に蹴る足を強くすることに繋がるため、だんだんとストライド走法に近くなる。

 

つまり、かかと着地からつま先着地へのターニングポイントは、ストライドの大きさと着地のタイミングによるのではないか。歩幅の小さいピッチ走法でこれをやるのは難しいだろう。

 

東アフリカの選手や大迫選手が宙を舞うようなストライド走法であることは、よく足の長さに起因すると語られることがあるが、足の長さは関係ないと私は思う。というのも、私の見る限り、長身の(足の長い)白人の選手がかかと着地になっていることが、意外と多いのである。滞空時間が短いため、前に出した足が体の真下に来る前に着地するとかかと着地になりやすいと考える。滞空時間を長くして、体の真下あたりで着地するためには、キックの強さと、骨盤や胴体自体の動きが必要になる。

 

図で説明したほうがわかりやすいとは思うが、今はその時間的余裕もないのでまたいつか。

 

10月19日(金) 

今日は午前中にPTAの一人一役の仕事があり、午後は自宅で勤務ということにした。

 

少し肌寒い。半袖に半ズボンでどのくらい寒いかを確かめながら走る。最初の数キロぐらいは、腕と手に冷たさを感じる。サブ3.5ペースで走るとすると、時速は約12キロ。サブ4ペースなら10km/h。

 

風速に換算すると、
サブ3.5 12055/3600=3.34m/s
サブ4 10548/3600=2.93m/s

単純に考えて、約3℃、体感温度は下がるということになる。ネットの情報。

 

・・・ホントかよ?じゃあクソ暑い真夏は速く走れば走るほど涼しいのか?気温と体温との差が考慮されていないではないか。まったくネットの情報はいい加減である。

 

この時期にみかける綺麗な花。ソライロアサガオか?

 

平日の午後だが、意外にも主婦のような人はみかけず、おじさんがちらほら。鶴川街道のような道は逆に平日は自転車などが多くて走りにくい。多摩川は人気が少なく、しばらくど真ん中を走ることができた。