前妻マナ美とのランデブー、つま先着地私論、久々の21kmラン
9月14日(木) 晴れ
今日は晴れてそこそこ気温も高く、セミも鳴いているのだが、夏の終わり感は拭えない。
実は意識してランニングを始めてからもうすぐ1年なので、走り始めた頃は適度に汗をかけて気持ちのいい季節だった。
しかし、走り始めたらすぐに息が上がってしまうようなクソ暑い夏を経験してしまうと、あの涼しい秋には戻りたくない。汗だくになって走ったあとのシャワーが気持ちよくない。体が冷える。冬のランニングなんて最悪だ。手が寒くなり、膝が硬くなり、怪我する!
・・・わしは絶対、常夏の国に移住するんだ・・・
というわけで、夏の夜を惜しむかのように走りに出た。
靴は、マナバウンスSPDに戻す。ライトレーサーはあのような不具合があると思うと、爪が痛くなるだけで慣らす気にもならないので、どうするか考えよう。
一昨日は爪が痛いのをカバーして走ったら、足の裏が筋肉痛になってしまった。あんな走りを続けたら別のところを故障してしまう。マナバウンスは大きいサイズだけあって、爪の痛みは全然気にならないのだが、ライトレーサーと比べると、やはりクッションがへたって反発力がなくなっているのがよくわかる。あと、若干重く感じる。
マナ美「なによ、急に。若くて派手なコに乗り換えたんじゃなかったの」
私「いや、なんかお前のことが懐かしくなってさ。あいつ、まだ馴染まないんだよ。やっぱり使い古しの良さっていうのも、あるかな、なんて」
マナ美「ひどいわね。使い古しだなんて、人を道具みたいに言って。散々突いてこんなにしたの、あなたじゃないの」
険悪なムード。しかし、5分も走ると、二人の息が合ってくる。様々な思い出が蘇る。二人でよく国分寺公園や府中の森公園に行って、ポカリスエットを飲んだものだ。
マナ美「それだけじゃないわ。きたみふれあい公園にも行ったし、深大寺植物園にも行ったわ。なんど雨の中を走らされたことかしら。」
遠くを見るまな美。いつまでもこんな風に、同じ景色を見ながら一緒に走り続けられたら、どんなに良かっただろう。しかし、まな美の余命は残り少ない。走行距離は今日で665kmに達した。人間の年齢でいうと、66歳に相当する。*1
今週のお題「私のおじいちゃん、おばあちゃん」
無理のないよう、終始気持ちのいいペースで走り、妻(本物の)に怒られない程度の時間で帰宅する。
私「今までありがとう」
まな美「また思い出したら呼んでよね」
私「ああ」
脱がされていつもの場所にちょこんと座った真奈美は、どこか満足げに見えた。次に足を入れるのは、意外と早いかもしれない。
9月15日(金) 晴れ
今日も晴れたが、昨日よりは涼しい。職場でもエアコンをつけずに過ごした。
今日は走る日でもないので、帰りに御茶ノ水の丸善に寄って、新刊や気になる本などをチェック。
ちょっと前に見たときは、レイティの『脳を鍛えるには運動しかない!』が平積みしてあった記憶があるのだが、今日はもう1冊もなくなっていた。あれは幻だったのか?
脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
- 作者: ジョン J.レイティ,エリックヘイガーマン,John J. Ratey,Eric Hagerman,野中香方子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2009/03/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本は公共図書館で予約してもとんでもない人数が予約待ちをしていて、いつまでも回ってこないので大学で借りて読んだ。「科学」と銘打っているだけあって、大学図書館でも置いているところは多い。CiNii Booksで検索すると今日現在で311件の所蔵館がヒットする。
CiNii 図書 - 脳を鍛えるには運動しかない! : 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
『ゼロベースランニング』、『大転子ランニングで〜』をパラパラと少し拾い読みする。
ゼロベースランニング 走りの常識を変える! フォームをリセットする!
- 作者: 高岡尚司
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2016/12/02
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「大転子ランニング」で走れ! マンガ家 53歳でもサブスリー
- 作者: みやすのんき
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2017/01/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これらの本はとても参考になる部類の本であるが、フォームについてはいろんな説があって、それぞれビミョーに違ったりするので、あまり鵜呑みにせず、あくまで参考意見として捉えるようにしている。結局、同じ人間であっても骨格や体型というのはその人の固有の生活によって形成されるものだから、千差万別で、自分にあった走り方を見つけるしかない。反対に、みんなが共通して言っていることでも、時が来れば「古い」走りかたになってしまうことだってあるだろうし、説明や表現の仕方も変わってくるだろう。
表現の仕方といえば、特に最近はNHKでも連呼している「つま先着地」については、自分が文学研究者の端くれだからいうが、「つま先着地」という言葉だけが一人歩きして弊害をもたらしている感がある。つま先で着地するか、踵で着地するか、なんていうことは、足の長さ、膝を上げる高さ、ストライド、ペースなどから必然性に決まってくる、いわば「結果」であるはずだ。フォームはそのままで着地だけつま先に変えれば良いというものではないだろう。
ときどき、何が何でもつま先着地にこだわっているのか、まるでダチョウの早歩きというか、コソ泥の抜足差足みたいな感じで、体よりもかなり前のほうで着地する形で走っている人を見かけるが、あれは足を痛めるのではないか。前の方で着地したところに抜足差足で体重を持っていくには、抜き足でかなり強くプッシュしないといけない。本来はバネを使うものである。いくら東アフリカのマラソン強豪国の選手たちが「つま先着地」だからといって、そんな走り方をしている人は見たことがない。
去る10日にBS1で放映されたドキュメンタリー、「世界はTokyoをめざす『未来を信じて走れ!~エチオピア 男子マラソン~』」では、アメリカに亡命したフェイサ・リレサに焦点を当てていたのだが、亡命生活と支援する仲間の話が中心で、「ランニングの科学」的な内容ではなかったのだが、アブディ・アブディラマンと並走するシーンで、突如リレサの「速さの秘密」として、「つま先着地」の話題に。時々私に憑依する(笑)、マカウやゲブレシラシエと同じように、つま先、というよりは足の前半部分(の外側)から着地しているように見えるリレサと比較されて、アブディは「かかと着地」呼ばわりされていたが、私が映像で見る限りは、踵というよりは足全体で着地しているようだった。しかも、話はその着地についてだけで、なぜそれが速さにつながっているのか、今ひとつ。そもそもアブディラマンって40歳ぐらいだし。2006年には2時間8分台で走ったこともあり、その辺のつま先ランナーよりずっと速いのに、「着地がかかとだから」27歳のリレサについていけないなんて言われたら、たまったものではない。
興味のある方は再放送(24日午前0時から)で見られる。
リレサのフォームで印象的なのは、骨盤がとても前傾しているということ。これはどの教本でも言われていることではある。だが、骨盤は前傾でも背中を反ってはいけない、ということもよく言われているが、リレサはどちらかというと背中を反って胸を前に出すような形だ。
マラソンの中継を見ていると、先頭集団のアフリカ勢でも、かなり前傾姿勢になっている人もいて、当然その人も速いのだが、ではどっちがいいのかというと、体型とか足の長さが違うとしか言いようがないのではないか。だいたい相当のスピードで走ったら、踵着地になるはずがないのである。足を大きく前に出しているようでも、着地の時には体がその真上に来ているからだ。大迫選手などは、体の方が前に来ているようにも見える。その位置で踵着地になるほうが不自然である。
「固定概念」に関する大迫選手のコメントは非常に説得力がある。
固定概念を捨てるといえば、この本は走り始めた時に読んで、様々な通説を自らの体で臨床してみる姿勢に共感した。ところどころ「違う」と思える部分もあったが、この実験精神には影響をうけた。
ランニングの科学 なるほど!マラソンに、トレランに、日々のジョギングに効く! (SJテクニックシリーズ)
- 作者: ふじいのりあき
- 出版社/メーカー: スキージャーナル
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以上、初心者の戯言です。
9月16日(土) 曇りのち雨
今日は午後から雨の予報。気温も下がって、すっかり秋だ。というか、ランニングをはじめて、明日でちょうど1年になる。
15時過ぎに家を出た。相棒は、今日もマナバウンスSPD。空模様はこんな感じ。
今日は走る前にウィダーinタブレット塩分+をかじって、それと、おととい牛乳をがぶ飲みして以来、どうもお腹の調子がよくないので、走っている時にお腹が痛くならないよう、セイロガン糖衣Aを飲んで走った。
多磨霊園から東八道路に入り、野川公園から野川沿いの道に入って東へ下っていく。気温が低いからか、正露丸のせいかわからないが、今日はとにかく良い感じで走れた。7kmぐらい走ってもバテてこないので、できるだけこのペースで10kmまで行って折り返し、20km走ろう、と思うようになった。無論、行きは緩やかな下りだが、帰りはその分しんどいのだが、なぜか頑張れる気がした。
小雨がパラついてきたが、走っている人も多い。
きたみふれあい公園で丁度10.8kmぐらいなので、公園に入ってトイレ&給水。休む間もなく折り返して今度は上り。
と思ったら、ちょうど女性ランナーが私の前を通り過ぎ、私の行こうとしている方向へ走って行ったので、先日の理論に従い、抜き去るしかない、と思ったが、そこそこのスピードだったので、しばらく並走みたいな感じになるとバツが悪いと思い、さらに下って橋を渡り、反対側の左岸から上っていく。
この野川沿いの道は、京王線と交差するあたりで右岸が通行止めになっていたり、道路と交差するときに片側しか渡れないようになっていたりして、右岸に行ったり左岸にいったりすることになる。
思ったのだが、行きに通った右岸のほうが緩やかに坂になっている気がする。それでスピードに乗れたのかもしれない。帰りは左岸を行ったのだが、思ったほど上り坂という感じがしない。野川沿いの道はそれぞれ橋のところが高くなっており、橋と橋の間の道は、ほぼフラットに感じられる。
信号待ちやトイレの時も計測は止めないのでバラバラに見えるが、ほぼ同じペースで走れたと思う。
玄人的には大したスピードじゃないのだが、個人的には適当なスピード感を感じられ、もう気分はマカウ選手。
しかし15kmぐらいで、例のごとく左膝が痛くなってくる。
左膝「あんちゃん、やっぱ今日もハーフ無理かも・・・」
私「頑張れ小雪、できるだけ負担かからないように、腿で走るようにするから、ほれ」
右膝「そんなこといってないで、骨盤立てろよ!小雪の気持ち考えたことあんのかよ!」(雅治風)
私「あ、わりい。確かに疲れてくると骨盤が後継になりがちだ。骨盤を立てると楽に足が上がるなあ。」
文也「あんちゃん、のんきだなあ笑」
私「お前誰だ?てゆうか小梅はどこいったんだ」
左親指の爪「ここだよ、あんちゃん。今日はマナバウンスだから全然痛くないよ」
私「おお、そうか!」
などと部位同士が会話しながら、ひとつ屋根の下、じゃなかったキャップの下、一致団結して走る。
普段の走行距離14kmあたりを過ぎて足が疲れてくると、ちょっとの段差でも足首をくじきそうになる。股関節の部分とハムストリングスが筋肉痛になってきた。しかし多分ゴール地点になる武蔵野公園が近づいてくると、またパワーが出てくる。メンタルが体に与える作用って、ホント馬鹿にできない。特に音楽の力はすごい。
今日も音楽からパワーをもらえた場面が何度かあったが、ここぞというところであの曲が流れてくれて助かった。
何の変哲もないリズムなのだが、これが走ってる時聴くとでらいいんだがね。イントロ聴いただけで燃えるでかんわ。
20km地点の二枚橋付近でまた水を飲み、ハーフマラソンの距離21.0975kmまで走る。
というわけで、久しぶりにハーフの距離を完走。
雨降ってるので誰もいないくじら山。
11kmで折り返したので、家から離れたところでゴールしてしまった。歩くのもアレなので、ジョギングして帰ったが、そのしんどいこと!!
とにかく腹が減った。走った後に甘いものを食べても手遅れというか太るだけのような気がするので、肉を食いたいのだが、コンビニでパッとかってサクッと食べられる肉の塊って、ないですかね。できるだけ加工してない、肉の塊。
しょうがないのでザバスのミルクプロテインをガブ飲み。うまい。うまいのだが、私は牛乳を飲むとお腹を壊す体質なので、500mlを一気に飲んだら案の定気持ち悪くなった。製品が悪いのではなく、体質なので念のため。今日、正露丸を飲んだのも、おととい調子に乗って牛乳を2杯一気飲みして、ヨーグルトまで食べた後、めちゃ腹痛になった後遺症のためである。
すれ違った&追い抜いたランナーのみなさん、セイロガン臭失礼しました!!
*1:諸説あり